ホテルベルビュー長崎出島

[唐紙]
出島に復元された様々な建物。その中に入るとひときわ目を引くのが大胆な柄の「壁紙」です。この壁紙、「からかみ」という中国をルーツとする装飾紙で、日本では古くから襖や屏風の装飾として使われてきました。しかし、日本で「壁紙」が一般的になったのは、なんと明治以降。世界的に見ても壁紙が一般化したのは16世紀以降と考えられています。江戸時代の出島では、（現在復元されているように）オランダ商館員たちが「からかみ」を代用して、自分たちの「家」を飾り立てていました。それは正に流行の最先端であり、日本では襖や屏風につかうものだった「からかみ」を壁に使うという、ある種のイノベーションだったかもしれません。出島キッチンクローバーでは現代の「からかみ」で客席スペースを彩っています。「もし当時のオランダ商館員たちが現代にタイムスリップしたら、どういう模様を選ぶだろう？」そんな想いでセレクトした「からかみ」。日本の伝統と世界基準の最先端が融合した出島の雰囲気を少しでも感じていただければ幸いです。

[床へのこだわり]
店内の床には、復元出島の石だたみをイメージした床材を使用しています。「石畳」は異国情緒の街長崎の象徴的なモノでもあります。しかしよく観察してみると、オランダ坂などのヨーロッパ的石畳と違い、復元出島の石畳は神社の参道などに見られるような日本的な石畳です。同じ江戸幕府が造成した、出島とオランダ坂。なぜその違いがあるのか想いをめぐらしても楽しいかもしれません。